水彩画講座の特徴
私は独学で透明水彩画を始めました。
そして3年くらい経ってから、教材本、テレビの水彩画講座、ネット上での動画などを見て
「最初からずいぶん 難しい事をさせてるな・・・」と思いました。
そしてそれら教材の何が難しいのかを分析してみました。
絵を描くという作業は
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- 基礎となる技術があり
- 土台となる経験の上に
- 表現という柱、梁を作って
- 1つの絵という建物を完成させている
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この中で教材で説明することができ、人に教えることができるのは基礎部分の「技術」だけです。
色や色を塗る順番は、土台となる経験や感性によって生まれます。
表現という柱、梁はイメージという設計図があって初めて「作られる」もの。
技術とはこの「作る」という作業を補佐するものです。
だけど、多くの教材では経験で得られる色や塗り順まで書いてあります。
そしてアーティストの感性による設計図通りに、絵が組み立てられるようになってます。
色の名前、塗る順番を指定することで、経験がなくても一時的に描けるけど、題材が変われば初心者にはもう分からなくなってしまうでしょう。(応用が効かない)
設計図に至っては到底作れるわけもなく
その教材を離れれば、たぶんどうしていいかわからなくなるでしょう。
◆私は使う色や順番などの、経験によって導かれるべきものは、指定すべきではないと考えています。
理由は「本来は経験の積み重ねから生まれるもの」であるから。
さらに「全てのものは全ての人に、まったく同じ色、形に見えていない」
そして「その差こそ絵においての個性であり、魅力である」と考えています。
こうした一番重要な根本を無視していることと、訓練期間中の時間も経験の一部なのだから、
なおさら本人に色を選ばせるべきだというのが私の持論です。
◆というわけで、私が行う水彩画講座では色や塗り順などの指定は一切ありません。
教える内容は「技術部分」がほとんどです。
その「技術」を習得するには、反復練習が必要なので、当然 時間が必要です。
ですから、地味な練習が最初は続きます。
これが基礎になるわけですから、ここをおろそかにしては建物は立たないからです。
そして前述したように、人に教えることができるのは、この部分しかないのです!
この講座は、短期間で見栄えのいい絵が描ける代わりに、短期間でしっかりとした基礎を築くのが目的の講座です。
その基礎を築くために、水墨画で使う筆使いを利用するというアイデアがひらめきました。たぶんこれがこの講座の一番の特色かもしれません。
そしてこのしっかりとした基礎を築けば、そこで使われる技術はいろんな絵に応用できます。
講座の後半では、その応用の一部を体験してもらう設計になっています。
短時間で形にしやすいということで花を選んでいますが、そこで得た基礎は風景画や静物画などにも通じるものです
その理由について次は書きます。
◆次の絵を見てください


※この絵の背景が黒になっているのは、HPに載せる時に加工したためで、本来は紙の白地がそのままです。
これは私が初めて透明水彩絵の具で描いた花の絵です。
これを描くまでに半年くらい、ずっと旅をしながら風景画を描いてました。(それまで花を描くことに興味がなかったのです )
私自身これを描いた時は驚きました。生れて初めて水彩画での花の絵にしては出来が良かったので。
なぜ、初めてなのにうまく描けたのか?
分析してみた結果
- 我流だけど水墨画で葉の描き方、葉脈の入れ方を知っていた
- 風景画を通して、透明水彩絵具の扱いに少し慣れていた
(絵具の扱いとは、水と水彩絵具との関係性を少し理解していたという意味)
- 紙の上で混色を作る方法を知っていた
以上の3つがこの絵を描くバックボーンだと気づいたんです。
このことから、これら3つが分かっていれば水彩絵具で花の絵を描くことは難しくないという結論に達しました。
当時の風景画はまだまだ未熟で、とても作品レベルのものは描けていませんでしたが、それでも花の絵を描くには十分な経験だったのです。
ですから、この講座は上記の技術を習得することを目的に構成してます。
具体的には「講座の内容」で書いてますが
以下の3つの技術を4ヶ月かけて練習してもらいます。
- 筆の使い方
- 水の使い方
- 色の使い方
4ヶ月かけて上のアサガオのような絵を描くのに必要な技術や、それ以外の花を描くのに必要な技術を身につけることを目標にしています。
もちろん色の選び方や構図の取り方などは、人により違います。
同じような絵にはならないし、ならない方がいいのです。
あなたは、あなたにしか描けない絵を描いてください!
それに必要な技術は、この講座の課題に真剣に取り組んでもらえれば、4ヶ月で身につきます!
◇ 3つの技術についての詳細はこちらで書いてます。
≫ 3つの技術
◆講座特徴をもう一度
- 基礎から学び、しっかりとした基本を身につけるのが目的
- 完全初心者に対応しており、順を追ってゼロから解説している
- スマホやPCがあれば、家に居ながら学べる
- 家でもどこでも、好きな場所、時間に練習できる
- 1日20~30分の隙間時間で、コツコツ練習して上達できる
- 「花の絵」に特化した水彩講座
- 水墨画の筆使いを取り入れている
- 簡単に絵が描けるようになる講座ではない
水彩画は最終的には自分が使う絵の具、紙、筆に慣れる必要があり、それらを使った経験値によって表現の幅が広がります。
なので、使っている道具に慣れる時間が必要になります。
講座を通して、この慣れる時間を確保して描く経験を積んでださい。